東京事務所引越し→パリへ

突然ですが、弊bis designは個人的な都合により、東京事務所を一時閉鎖し、パリに移動しましたのでご報告させていただきます。

東京にて今までお付き合いいただいた方々にはご迷惑をおかけしますが、引き続き今後も遠慮なくご相談いただければ幸いです。

こちらパリでも少しずつ活動していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本国内よりご連絡いただく場合は、メールかスカイプにてご連絡ください。

住所

東京事務所(旧)
東京都文京区湯島3-10-4
Tel. 03-3834-1851

フランス・パリ連絡先
25/27, rue Jean-Jaures 94800 Villejuif FRANCE
Tel. +33 9 51 57 31 92

その他連絡先

Mail. info@bis-design.net
SkypeID. nao-kimura

ロハスな建物

と、言葉にしてみたことはありませんが、毎回設計を進めていくにあたって、自分が結局一番気にしてるのは、簡単に言えば「ロハス」なんだろうな、と思います。

ミニマル&ヴィンテージをキーワードにしていますが、これを更に一言にすれば、ロハス。

ミニマルとは最低限の、という意味で、デザイン的にも機能的にも最低限のものにいつもこだわっている気がします。私にとってのデザイン的なミニマルとは、形であったり、素材であったり、光であったりします。

シンプルな形であればあるほど、長く使っても飽きがこない。シンプルな構造にしておけば、いつか改修して更に長く使うとき、空間の自由度が上がるしメンテナンスもしやすい。家具やテキスタイルでいくらでも表情が変わって、使い手により、色々な顔を見せることにもなります。

ミニマルな素材も大事。店舗の場合は手をいれることもありますが、長く使う住宅の、特に内装では、素材の持つ表情をそのまま見せることにこだわっている。例えば木を使うとき、なるべくなら色を乗せたりはしたくない。クリア塗装をかけて膜をつくり、木の呼吸を妨げてしまうのも嫌なので、無塗装かオイル塗装をいつもお勧めしています。

光は、自然光をなるべくとりこみたい。全面的に明るく取り込むのがいいな〜と思う場合もあれば、暗いところに劇的に?光を取り込むほうがよいな〜と思うこともあれば、それはその建物が置かれている環境や目的によりいろいろですが、一番美しく疲れた体や心を癒してくれるのは自然光をおいて他にありません。で、それでは足りない時に、明かりをほんの少し補助的に入れる。

明かりのデザインは、店舗など商業施設ではわりと考えられていますが、住宅ではまだまだ少ない。でも、落ち着く居場所がほしいときには明かりが最も大事なんじゃないかと思います。

ロハスなベースが出来上がってしまえば、あとはその建物が年を重ねていくのを楽しむばかり。

プリント合板のフローリングやビニルクロスで覆われた「はりぼてハウス」は汚くなっていくのを見守るばかり・・・ですが、きちんとした素材で作られ覆われたプレーンな家は、正しい手入れを適当な時期にしていけば、どんどん美しく変化して、何十年か経った後にはヴィンテージ感たっぷりの建物になってくれているはず。

以前にご紹介した巨大ワンルームの家。
オーナーから嬉しい報告が入りました。

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下の子がいつも床に寝っ転がってる。子供達のお友達が来ると、裸足で走り回って、疲れたらみな寝っ転がっちゃう。私たちが望んでいたように、人が集まる家になりましたって。

この家でどうしても落としたくなかったのは、後からではとっても大変な断熱工事です。それから床。

古い建物にはよくあることだけど、元々は断熱が何も入っていませんでした。壁は結露でカビカビ。どんなに沢山のカビの胞子を放出していたことでしょう。快適な室内環境を得るためには断熱は必須です。室内で真夏の暑さに朦朧としたり、冬の寒さ対策に暑い靴下や発熱下着でぶくぶくの体になっては、ロハスな気分は味わえません。

床は快適さばかりでなく、空間としてのグレードも左右する最も大事なポイントだと思います。水平面だから、たぶん、一番目に入ってくるんですよね。

夏でもぺたぺたくっつかない床。冬でも裸足で歩ける床。小さな子供もいたから、床はもっとも仕上工事のなかでは、とても大事な場所でした。

予算の関係で、断熱と床に費用を使ったかわりに、間仕切りや建具がなくなったりしましたが、これは後でも簡単に取付けられます。

ワンルームになったり、古いコンクリートの壁をそのまま現したりして、徹底的に無駄をそぎ落とした家だけれど、返って良かったみたい。人が集まってくれる家、風が通り抜ける家、子供の成長を見守れる家、という当初の希望はいま現実になっているようで、設計はとても大変だったし未完成の家だけど、これまでの物件ではいちばんのロハスな幸せな家になっている気がします。

壁の中のグレード

壁の中のグレードとは、構造体であり、断熱の仕方であり、通風の考え方です。

日本の古い建物ではよくあることなのですが、建物が長生きし、人間も快適に暮らせるかどうか、の鍵である断熱がほとんどされていません。

日本ではなぜか断熱、という概念が生まれなかったようです。強いて断熱と言えるものは、分厚い藁葺き屋根や縁側でしょうか。

藁葺き屋根は夏の強烈な日差しを少しでも緩和するために分厚く、軒は大きくとられ、一方で壁はほとんど引戸で解放すれば風が駆け抜ける、という夏の快適さを追求した作りです。

縁側はただの憩いの場ではなく、戸外に面する窓や障子と、室内を分ける襖などの間に空気層(→縁側)を作ることで、外の冷たい空気を囲炉裏だけで暖房していた室内に対し、効果が多少はあるんだろうと思うけれど、何とも頼りない断熱材として働いていました。

暑さは我慢できないけど、寒さは我慢できる、と言うことなんでしょうか・・・

壁の中というのは、仕上をしてしまえば一切見えなくなってしまうので、そこにお金をかける、という感覚が分かりにくいかもしれません。でも本当は、快適な生活をするために、健康的に暮らすために、建物を長期にわたって使用できるものにするために、最も大事なところです。

断熱や通風がきちんとなされていない建物は、夏は暑く、冬は寒い。結露がおこる。その結露で壁はカビカビ。カビが構造体を浸食する。カビが放出され体内に入る。と、とても怖いもの。暑さや寒さは我慢したり、エアコンをがんがん使えば何とかなるけれど、カビ現象は長く住んでみないとわからないし、壁の中に繁殖しているカビが人体にどのような影響を与えているか、実際にはわかりにくいもの。

それでも家と人間の健康を考えれば、絶対に外せないのが、断熱です。

ヨーロッパでは、日本と違って古い建物の方が値段が高い。新しい建物の方が高いのは、日本ぐらいだそうです。

私はパリとストックホルムで生活をした経験があるのですが、パリは東京より寒いのに、家の中は大抵そこそこ暖かく、快適でした。最後に暮らした家は18世紀の古ーい使用人部屋だったので、窓廻りが隙間だらけで寒かったですが・・・

そしてストックホルムでは、氷点下18度という日も多々ありましたが、家の中はすばらしく暖かかったです。そうすると、激寒の外に出るのも億劫ではなくて、体の調子も良かった。パリの最後の家や東京では、家の中で体が冷えきって、外に出るのが億劫で籠りがちになり、ますます血流が悪くなって更に体が冷える、という悪循環でした。

ヨーロッパは日本より寒い地域に大部分があるためか、昔から断熱に対してはきっちり対応しています。北に行けば行く程とてもきっちりしている。あちらの雑誌を見ると、窓辺に植物やオブジェが並んでいる写真をよく見ますよね。あれは、出窓というわけではなく、壁の厚みを利用したものです。今まで私が見てきたところだと、大抵30センチは壁の厚みがある気がします。

これはかなり立派な方だけど、窓廻りを見ると壁の厚みがわかります。

これはかなり立派な方だけど、窓廻りを見ると壁の厚みがわかります。

これも開口部廻りを見ると・・・

これも開口部廻りを見ると・・・

一方日本では最近の建物で、せいぜい厚くても20センチ。

ただ厚ければ良い、というものでもないのですが、きちんと断熱された建物は、長生きできる要素があり、適切なメンテナンスを行って行けば、数世代に渡って使うことができます。

既存の建物でも、構造体がある程度しっかりしていれば、壁の中のグレードを上げることは可能です。新築よりは費用も押えられるし、ゴミも減る。無理して壁の中がスカスカの家を新築で作るよりは、あるものを有効に使う方がよっぽど快適。

今まで日本では地震をイイワケにしっかり作った建物を長く使う、ということが敬遠されてきましたが、経験も知識も技術も上がっている今、壁の中のグレードが高い建物を少しでも増やしたいと思います。

Se rassembler 展

以前からときどき一緒に仕事をさせていただいているOld Maisonの展示会が明日24日から3日間、原宿Deppで開催されます。

Old Maisonを中心に、設計やグラフィックデザイナー、アイアンデザイナーなどが集まって、数年前にreclama(リクラマ)というチームを立ち上げました。

年に1-2回この展示会はあり、固定ファンが多いようで毎回大盛況なのですが、今回、いつもと少し違うのは、ホテルやペンションなど宿泊関係者向けの展示になっていることです。

原宿では家具や雑貨による空間の提案をメインにしているそうですが、座間の本店ではホテルの各箇所を再現して、空間全体を作り込んであり、オールドメゾン率いるリクラマの世界が広がっています。

座間は少し遠いと思われるかもしれませんが、広い店舗を使って、社長自ら作り込んだ空間はたっぷり楽しめると思います。ヨーロッパの田舎スタイルをイメージに、新築はもちろん、リノベーションのご提案もしていく予定です。

原宿で気に入っていただいた方、リクラマスタイルにご興味のある方、ペンションやプチホテルオーナーの方などなど、週末のドライブがてら、ぜひ足をお運び下さい。

オールドメゾンHP:www.old-m.com/

Se rassembler 展 at スタジオDepp(原宿)
se rassembler DM表面

se rassembler DM裏面

池尻の歯医者さん

7月より計画を進めていた池尻の歯科医院が間もなく開業します。
院長は美人の女医さん。

設計当初から、あまり歯医者さんらしくない歯医者さんにしたい、とのご希望がありました。
結果はこんな感じ。診療室へのドアが閉まっていれば、歯医者さんとはあまりわかりません。

場所がとても良いので、工事中から随分中を覗いていらっしゃる方がいました。
歯科開業予定の張り紙はしていたのですが、何屋さんと思って覗いていただいていたのか、伺いたいところです。

歯科治療に関しては、かなりこだわりを持っていらっしゃいます。
患者さん主体で治療方針を決める手助けをしてくださる、優しい先生です。

ご自身も歯医者さんに行くのは恐怖だったその体験から、怖い、とか、行きたくない、というのは仕方がないけれど、なるべく治療ではリラックスしてほしい、との想いがとても強く、それが内装にも反映されています。

内覧会:10月30、31日 10:00〜17:00まで。
この二日間は歯科相談も受けるそうです。

2010年11月1日開業
診療日:金〜水 10:00〜20:00(月曜のみ17:00まで)
休診日:木曜日(土日、祝日もやっています!)
予約診療のみ
電話番号:03-3411-3116
住所:世田谷区池尻2-31-7
(池尻大橋駅南口を出てまっすぐ進むと、歩道橋の足下あたり、ハンバーガー屋さんの隣です。)

受付カウンターをみたところ

受付カウンターをみたところ

受付カウンター右手の待合室

受付カウンター右手の待合室

赤い壁の向こうの化粧室

赤い壁の向こうの化粧室

レトロだけど明るい雰囲気の診療室

レトロだけど明るい雰囲気の診療室

巨大ワンルームの家

昨年10月より設計を進めていた中古マンションのスケルトンリフォームがGWで終わり、オーナー一家が生活を始めてもう間もなく1か月が経とうとしています。今回は築30年超のマンションを、構造体に影響のない壁は全て取り払い、設備も一新したフルリノベーションで、スマサガという不動産紹介から設計、施工までを一括に行うプロジェクトで実現しました。

壊せるはずの壁が、非常に壊しにくく、費用も量んでしまうことから設計変更を余儀なくされたり、階上から水漏れがあったり、階下へ水漏れを起こしたり、と中古物件のリノベーションにはつきもののアクシデントがいろいろとありましたが、新規交換できる設備は全て交換して、快適な、風の良く通る巨大ワンルームができました。

なぜワンルームかというと・・・

オーナーの希望もあり、今小さな子供が二人いるが、女の子と男の子のため、将来的には個々のスペースが欲しくなる可能性もあり、今壁で仕切ってしまって、数年後にまた壁を作り直すことも可能だが、壊すことを前提に壁を作りたくないこと、可動式の臨時の壁も作りたくないこと、小さな今のうちは、子供の様子を十分見ていたいこと、などの理由から、子供スペースと大人スペース、リビングダイニングなどのパブリックスペースをカーテンで仕切るだけの計画となりました。

結果、今は向かい合った二面にある窓を開ければ風が吹き抜ける、気持の良いワンルームになっています。古い建物で、元々は断熱材も入っていませんでしたが、ワンルームになることもあり、断熱材も出来る限り入れました。ただし、窓周りは既存のまま使用しているので、これは将来のバージョンアップ工事の対象になります。

今全て完成させるのではなく、将来の変化に応じて徐々に成長させて行く家です。

PC板製作:横江コンクリート
http://www.yokoe.info/

PC版磨き:カンエツ
http://www.kan-etsu.co.jp/

玄関。モルタル左官仕上にモザイクタイルとガラス片を埋め込んでいます。

玄関。モルタル左官仕上にモザイクタイルとガラス片を埋め込んでいます。

子供スペースからリビングを見る。リビングの向こうは大きなテラス。

子供スペースからリビングを見る。リビングの向こうは大きなテラス。

リビングからキッチンを見る。

リビングからキッチンを見る。

PC板を使ったキッチン&ダイニング。横江コンクリートとカンエツさんのご協力でできました。

PC板を使ったキッチン&ダイニング。横江コンクリートとカンエツさんのご協力でできました。

Low Carbon Life-design Award2009

Design Association(NPO)と環境省で開催されたアワードの表彰式&シンポジウムに行って来た。

DA会長の浅葉克己さんによれば、「鳩山首相が2020年までにCO2を25%減らすと言っちゃった!」から、デザイナーはそれに向けて、デザインの宿題として取り組まなければならない。デザインの宿題がまた増えました、とのこと。同審査員の、国立環境研究センターの藤野純一さんは、実は鳩山首相はオバマ大統領に対して2050年までに80%減らします、とも言ってます、そのための10年後の25%削減なんですよ、なんていうエピソードもお話しされていた。

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現在、日本国内で家庭に於けるCO2排出は、全体の約14%ほどだそうだ。大して占めていない気もするが、問題は1990年頃から比べると40%も排出量が増えていること。

家庭では消費エネルギーが給湯や冷暖房、家電がかなりの割合で占めているようで、ガス、石油、電気とも消費量は増えているのだが、中でも電気の消費量がぐーんと増えている。90年代後半頃から一般家庭に普及し始めたパソコンや、大型テレビの影響だろうと思う。以外に多いのが待機電力で、ウォーム便座の待機電力がばかにならないようだ。(→こまめに蓋を閉めればかなり電力節約!)エアコンに使う電力も大きい。

これらのエネルギー、特に冷暖房に関わる部分については、今後新築される建物も、中古リノベーションでも、壁の中の性能を十分に上げて冷暖房効率を良くする努力が必要だ。今日のアワードでは単純に間取りを変えるだけでもエネルギー消費が抑えられた実績が準グランプリとなって証明されていた。冷暖房を使用する部屋を家の中心に持って来た上で、部屋の仕切り上部を欄間でつないだのである。ただそれだけではエネルギー消費が上がってしまうが、ここでは窓ガラスをペアガラスに交換し、外壁周りに本棚を作り付けて断熱効果を上げていた。

壁の断熱は、性能としては外断熱が一番だが、リノベーションで特にマンションの個別の改修だとそうもいかないので、内断熱で対処することになる。内断熱は、結露の中でも特に怖い壁内結露が発生しやすいが、最近はこれをカバーできる方法もいくつかある。

壁の性能を上げる目的は、なんと言っても空調にかかるランニングコストを下げて、家全体に暖かさ、涼しさが行き渡るようににし、寒さや暑さが溜まる部屋を作らないことだ。寒い部屋は着込んで我慢すれば良い!という人もいそうだが、問題はそこでカビが発生しやすいことである。人間の体や台所、浴室などから発生する水蒸気はその家の寒い部屋へ流れ、冷たい壁や窓にくっついて結露となる。壁の中にしっかり湿気対策ができていないと、湿気は壁の中にも入り込んで、外壁のとてもとても冷たいところにぶつかり、壁の中で結露が起こる。これは見えないからとても怖い。

というわけで、大昔のすきま風びゅんびゅんの家でも囲炉裏で暖をとるぐらいで、十分暖かい!という我慢強く、鍛えられた体の持ち主でない場合には、家の中に寒い部屋を作らないことが、健康の面からも、家を長生きさせる点からも重要だ。寒いトイレがなくなれば、ウォーム便座もいらなくなるのだから。

ヨーロッパクラシックスタイル片田舎風

本厚木に12月からオープンする女性限定エステサロンの店舗デザインをさせていただいた。住宅と違い、かなり作り込んだデザインになった。モールディング(幅木や廻り縁、家具に使われる装飾用パーツ)を使った物件としては3件目である。

普段のbis designとはかなり違うスタイルだが、この物件で、慣れないスタイルでも、設計を行う時の私の基本は同じなのだということを認識できた。

→ 経年変化を楽しめること

経年変化を楽しむためには、本物の材料を使うことが大前提。〜風、〜模様のハリボテ建材は決して経年変化は楽しめない。本物の材料であれば、多少傷が付こうが汚れようが、良い方向に風化してくれる。今の日本では、残念ながら、傷は許さない、ゆがみは許さない、仕上がりにムラがあったら許さない、など、均一なきれいさを求められるあまり、初めはぴっちりきれいなハリボテ建材が横行しているのだが、古くなった時の表情の良さ、メンテナンスにより更に表情をつける楽しさを使い手に味わってもらいたくて、本物の材料をできるかぎり使うようにしている。

→ 「引く」デザインをすること

ヨーロッパのデザインの考え方は往来は「足す」デザインで、色々な要素を足して行きながら調和をつける。一方日本では古くから「引く」ことで、本来の美しさを導きだす習慣がある。私は日本人なので(?)引くデザインの方に共感するし、自分にとって心地が良い。というわけで、ヨーロッパ風の空間を求められたものの、限られた「日本」サイズの空間の魅力をどうすれば最大限に引き出せるのか、けっこう考えた。これも店舗とは言え、既存建築物のリノベーション。紙の上で描いたものが形になり、既に存在するものを無理なく生かすことができ、オーナーの喜ぶ顔を見ることが何より嬉しい。

完成前の写真だが、いくつか・・・

光廊下
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レセプション
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築35年マンション

先日、築約35年マンションのリノベーションを少し前に終えた。中古マンションの仲介、デザイン、工事を一手に行っている会社との共同設計物件だ。かなり古いが立地抜群の物件。大きなテラスがL字型になっている。最上階なので空も抜けて気持がよい。

リノベーションは毎回良くも悪くも驚きが多いのだけれど、この物件も例に漏れなかった。床下にガラがたくさん詰まっていたり、レンジフードに鳩が住んでいたり、作り付食器棚の扉が全て無垢の木材なのに感激したり。古い設備や壁を壊しながら、そこかしこに、建物が誕生した頃の「カルチャー」を発見できる。

工事前は相当な物件だったので、施主の審美眼?には驚くばかり。たいていの人は、あの状態を見たら引いてしまうはず。オーナー曰く、大きなテラスに魅せられて、購入を決めました、とのことだったが、リノベーション後はもちろん、そのテラスを、またその雰囲気をも十分に満喫できる、気持の良い空間になった。

照明は、やはりオーナーのこだわりで、基本的には全て間接ライティング。ここまで徹底的に間接照明のみの住居を設計したのは初めてだったのだが、出来上がってみて、いかにそれが落ち着くものか、また、住居としてであれば、明るさも十分であることを再認識した。

中古マンションや中古戸建の改修は、開けてびっくり、ということが多い。購入前には構造体やメンテナンス状況などのチェックが必要だ。その上で更に、改修費用をびっくり事項に備えて余裕を持って用意しておく。びっくり事項が幸いにしてなければ、その分を仕上のグレードアップに利用したり、家具の購入にまわしたりすれば良い。

リフォーム済の中古物件は、既にできているものを購入するのでびっくりしないし、価格も事前に見えているから安心な気がする。でも別の見方をすれば、表面をきれいにカバーしてしまったことで、建物の本来のコンディションが化粧されて見えなくなり、リフォーム工事代金も見えなくなっているのだから、割が良いか悪いかを考えると、悪いのではないか、と想像できる。

というわけで、このお化け屋敷のようだった物件に隠された魅力を見いだし、見事に変身させたオーナーに拍手喝采を送りたい。

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テラス側から部屋側をみたところ。写真には写っていないが、左に開口がもうひとつあって、トイレの入り口になっている。リビングへワンステップ入れるために、目隠しとして設けた壁がギャラリーにもなる、ポイントの壁。

SH-house02








この床は、ラワン合板(ベニヤ)にオイル塗装したもの。いずれ床材を貼りたいとのことだが、しばらくは十分雰囲気のあるこの床で。

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キッチンダイニングの天井照明。この家ではどこもかしこも間接照明。

リノベドリーム ex.1

リノベドリームプロジェクト、第1弾は神楽坂にあるマンション。古き良き街にある築約30年(昭和53年)マンション。

ここでちょっとお断りしておかなければならないが、これは訳ありマンションである。どんな訳かはお問い合わせ下さい。ただ、その分当然市場価格よりお得な値段となっている。

外観写真を見ると、メンテナンスもきちんとされているようだ。もちろん写真だけでは細かいところはわからないので、購入前に調査は必要だが、立地と広さを考えるとかなり良い気がする。竹中工務店施工、というのも建築的には評価が高い。

以下はリンさんからの物件説明・・・

交通:3駅3路線使用可
環境:神楽坂駅より北に坂を下った先にあり、周辺は住宅・ビルが混在し
   印刷・製本関連の企業が多い地域です。
流通:神楽坂エリアは、比較的新しいマンションが多く流通しています。
   需要に比べ、供給が少ないので、希少価値は高いと思われます。
賃貸:賃貸物件として、内装リフォーム後であれば、固くみても12万円
   程度で賃貸できるものと思われます。都心エリアのため、賃貸需要
   は大いに見込めます。

そう、リンさんの説明の通り、神楽坂はなかなか空き物件が出ない印象がある。出てもすぐになくなってしまう。
そしてマンション概要・・・

種別:所有権
用途地域:準工業地域
専有面積:56.07m2+5.50m2(テラス部分)
構造:鉄筋コンクリート造5階建2階部分
現況:空室
給湯:電気温水器
ガス:都市ガス
ペット飼育可

外観(LM神楽坂)

現況図面

 existPlan-800

 

 

 

さて、ここからがリノベドリームの本丸。この間取りを見て、どんな生活が可能なのかを勝手にイメージしてみたものである。
まず一つ目はSOHOプラン。

SOLUTION 1 – SOHO!神楽坂で仕事もプライベートも楽しみたい人向

① 広い土間玄関

② テラスに向いた窓に対して垂直方向の配置
 →光と風を奥まで通す

③ 玄関からテラスまで続く間接照明を仕込んだ長〜いシェルフ
 →玄関から室内をアプローチ
 →ゲストは光廊下から室内へ
 →本もCDもたっぷり収納

④ 玄関からアクセスの良い収納群
 →パブリックとプライベート動線の隅分け

⑤ 緩く仕切ったワークスペース

⑥ テラス沿いにダイニング、大きなソファとプロジェクターでホームシアター&パーティー
 
⑦ ベッドルームとバスルームの一体感
⑧ 奥行感たっぷりの気持よいバスルーム

⑨ テラスまで続く床 →広がり感、テラスの室内化
plan-solution1

そして、
SOLUTION 2 – カップル向!アパルトマン

① ベンチ付きの広い土間玄関

② テラスに向いた窓に対して垂直方向の配置
 →光と風を奥まで通す

③ 広い土間玄関とテラスまで続く間接照明を仕込んだ大収納
 →部屋の長さを光により強調、どこにいても広がりを感じさせる
 →くつろぎのリビングはすっきり

④ ベッドルーム&バスルームの一体感と個室化できる開き戸

⑤ 奥行感たっぷりの気持よいバスルーム
⑥ テラスまで続く床 →広がり感、テラスの室内化
plan-solution2

神楽坂ライフをこのアパルトマンで満喫しよう!
お問い合わせはinfo@bis-design.netへ!